日本を代表する染色家・柚木沙弥郎氏とイデーは、2012年にインタビュー・ウェブマガジン"LIFECYCLING"での取材をきっかけに親交を深め、新作型染作品の展示会、パリの工房とのオリジナルリトグラフ制作、若手クリエイターとのコラボレーションなど、さまざまな取り組みを行ってきました。
3回目となる柚木氏の新作リトグラフは、今回もパリの歴史ある工房 Idem Paris の熟練の職人との共同作業で一つ一つ丁寧に制作しました。「アートのある暮らし」について対話を重ね、さまざまな暮らしのシーンで愉しめる新たなリトグラフ作品です。
その制作プロセスは、過去ではなく現在やこれからの豊かな暮らしを想像することから始まりました。モダンでありながら時間が経つとともに愛着が増し生活に寄り添う作品を目指して制作したリトグラフです。
本作品シリーズで柚木氏とイデーが提案してきた「Life in Art(日常芸術)」を改めて体感していただけたらと思います。
オリジナルリトグラフシリーズ "MON PARIS! MON TOKYO!" の2nd Editionが入荷しました。
Idem Paris の熟練の職人と一枚ずつ丁寧に制作した数量限定作品です。※イデー各店の在庫状況については直接店舗までお問い合わせください。
「ロボット」
H100cm × W72cm
1st Edition: 50
2nd Edition: 50
「Night」
H100cm × W72cm
1st Edition: 50
2nd Edition: 50
「木洩れ日」
H66cm × W50cm
1st Edition: 100
2nd Edition: 100
「アルファベット」
H66cm × W50cm
1st Edition: 100
2nd Edition: 40
「Life is Strange and Beautiful」
H66cm × W50cm
1st Edition: 100
2nd Edition: 100
「教会」
H66cm × W50cm
1st Edition: 80
2nd Edition: 60
「東京」
H66cm × W50cm
1st Edition: 100
2nd Edition: 80
「サン・ジェルマン・デ・プレ」
H50cm × W66cm
1st Edition: 80
2nd Edition: 60
「オブジェクト」
H37cm × W96cm
1st Edition: 80
2nd Edition: 40
「カタチ」
H37cm × W96cm
1st Edition: 80
2nd Edition: 40
「フランスの男」
H52.9cm × W41.4cm
1st Edition: 120
2nd Edition: 100
「DOGS」
H52.9cm × W41.4cm
1st Edition: 120
2nd Edition: 100
「FLOWER」
H52.9cm × W41.4cm
1st Edition: 120
2nd Edition: 40
「Watermelon Man」
H52.9cm × W41.4cm
1st Edition: 120
2nd Edition: 40
今回のリトグラフは2022年5月、パリで刷られました。
柚木氏の描きおろしの原画や型染布作品をリトグラフ化したものなど、14作品すべてが新作です。
Idem Paris の熟練のマスタープリンターらによる工程を経てリトインク独特の発色と風合いが加わり、原画とはまた一味違ったリトグラフ作品ができあがりました。
これまでイデーは柚木氏のリトグラフを2回制作してきましたが、今回3回目にして初めてのチャレンジとしてクロミストとの協働作業を行いました。
クロミストとは、水彩などの微細なニュアンスを版ごとに手描きで再現する昔ながらのスペシャリストです。コンピューターを使わない1970年代からクロミストとしてキャリアを積んできたヤニックさんの手技により、脈々と受け継がれてきたパリのリトグラフの歴史的な技術と経験が掛け合わさることで、柚木氏とイデーのリトグラフ制作に新たな魅力が加わりました。
柚木氏は、職人との協業によって生まれる作品をリトグラフならではの魅力と感じ、パリのエスプリが加わった作品に常々愛着を感じています。古くから受け継がれた手法を用いて作られた今回の作品たちも、生誕100年のアニバーサリーに相応しい魅力に満ちたものになっているでしょう。
柚木氏のリトグラフから、ぜひお気に入りの作品を見つけ出してください。
染色家。1922年東京生まれ。1942年、東京帝国大学文学部美学・美術史科に入学するが、翌年学徒動員。終戦後、1946年に岡山県倉敷市にある大原美術館に勤務。柳宗悦が提唱する「民藝」との出会いを機に、芹沢_介に弟子入りし染色の道を志す。1955年、銀座のたくみ工芸店画廊にて初個展。以降50年以上にわたり制作を続け、数多くの作品を発表する。1972年、女子美術大学の教授に就任、1987年に学長に就任(91年退職)。2008年から3年連続で、パリのGALERIE L'EUROPEで個展を開催し、高い評価を得る。2013年には世田谷美術館で開催した「いのちの旗じるし」が好評を博す。2014年フランス国立ギメ東洋美術館に作品80点が収蔵。同館にて個展「La danse des forms − Textile de SamiroYunoki」も開催。
インタビュー記事『美意識とユーモアが暮らしを彩る、染色家の住まい』(interview&photo『LIFECYCLING』)
柚木沙弥郎 作品ラインナップ