JAPANESE MODERN MASTER

THE STANDARD SOFA for Japanese Modern(8:42)

JAPANESE MODERN MASTERプロジェクトを始動するきっかけのひとつとなった、村野藤吾氏デザインのTMD-CHIYODAソファ。日本の職人の手で1台ずつ丁寧に制作される過程を動画に収めました。たくさんのパーツを削り出し、組み上げ、木枠でその独特のアームの曲線を表現し、皺なく張り上げる技術は、熟練の職人技。「人間の手でものをつくりあげる」という村野藤吾氏のヒューマニズムの精神を感じることができるソファです。

真に豊かな生活、理想の生活とはいったい何なのか。イデーでは「生活の探求」をテーマに、美意識を持って生きる暮らしを、家具を通じて提案し続けています。

2007年秋、これからのデザインを思考する上でさらに明確な独自の視座を求め、日本のモダンデザイン(1950年代~1980年代)を検証するプロジェクトを立ち上げました。

この時代に埋もれてしまったものの中から21世紀のフィルターを通して、良いと思えるデザインを発掘しスタンダードの再評価を行うことで、現代における新しい価値の創出が可能になるのではないでしょうか。 私たちはこの試みが単なる懐古趣味的な復元や安易な復刻に陥らぬよう、時代性を踏まえ、今日の素材、技術、生産性、経済性等に照らし、長期的視点に立って製品化を展開します。

同時に、先達のデザインとものづくりに対する姿勢の深層を流れる精神に迫ることが、現代にこそ必要な思想や理念を、私たちに再発見させてくれることを確信しています。

真のスタンダードが、独創的で、機能を超えた感性と詩情性に富み、純粋で瑞々しく健康的であるために。

TOGO MURANO村野 藤吾

TMD-CHIYODA

TMD-CHIYODA

村野藤吾氏が、1966年に千代田生命本社ビル(現目黒区役所)の役員室のためにデザインしたソファを、2007年に復刻しました。アームや背の内部の木枠に施された繊細なカーブや、美しい脚先のステンレス使いといったディテールは、卓越した職人の技術があってこそ可能になるものです。

  • 腕を掛けたときに自然とサポートされる形状。美しいラインを出すために側面と座面側の両面から木枠に生地を張り込んでいます。

  • アームから背もたれにかけてと、背・座クッションに施されたパイピングは統一した仕上がりに。細部が上品な印象を際立たせます。

  • TMD-CHIYODAソファといえばこの脚先。シャープな脚部にステンレスの金具を加えることで、ほどよい緊張感が生まれます。

TMD-MIYAKO

TMD-MIYAKO

1960年に都ホテル(現ウェスティン都ホテル京都)のために制作されたラウンジチェアとローテーブル。村野藤吾氏の家具は、建築の計画に合わせて特定の空間のためにデザインをされたものですが、不思議と普遍的な魅力を携えています。

Designer
村野 藤吾

戦前戦後を通じて数々の名作を残してきた、昭和を代表する建築家。 ディテールにこだわり、仕上がりに高い技術を求めた作品には、「人間の手でものを作り上げる」という彼のヒューマニズムの精神がちりばめられている。主な作品は世界平和記念聖堂、旧千代田生命本社ビル(現目黒区役所)など。 常に空間の隅々まで気をめぐらせ、家具や照明のデザインも多数手がけた。佐賀県唐津市出身。

JUNZO SAKAKURA坂倉 準三 / DAISAKU CHOH長 大作

YABANE LOW TABLE / TOU ZA ISU

YABANE LOW TABLE / TOU ZA ISU

長大作氏の「矢羽(やばね)ローテーブル」は、木目の接ぎをデザインに活かした美しさが魅力です。
「籐座椅子」は坂倉準三氏の作を長氏がリデザインした作品です。当初竹製であったものをラタン製に変えて2001年にイデーが復刻しました。
コルビュジェの建築、ペリアンの家具に大きな影響を受けたという当時の坂倉準三建築研究所の雰囲気が伝わってくる一品です。

DINING CHAIR / DINING TABLE

DINING CHAIR / DINING TABLE

1950年代に長大作氏がデザインしたダイニングテーブルとダイニングチェアをオリジナルに忠実に再現しました。ジャン・プルーヴェの作品に触発され、幾度もの改良を経て生み出された日本のモダンデザインの頂点といえる名作です。実用的にも配慮の行き届いた、この時代のデザインの粋が凝縮されています。

Designer
坂倉 準三

東京帝国大学美学美術史学科在学中に建築に傾倒し、卒業後渡仏、ル・コルビュジエのアトリエで建築を学ぶ。1937年にパリ万博日本館で建築部門グランプリを受賞。帰国後、坂倉準三建築研究所を設立し1950、60年代を通じ、建築から都市、家具デザインまでモダニズムを代表する幅広い活動を展開した。岐阜県羽鳥市生まれ。

Designer
長 大作

東京美術学校(現東京芸術大学)卒業後、坂倉準三建築研究所に入所。
数々のプロジェクトに携わり建築や家具のデザインを担当。
長大作建築研究所を開設した1972年以降は住宅を中心とした設計と家具デザインを行い、過去の作品のリデザインにも積極的に取り組んだ。旧満州生まれ。

SHIRO KURAMATA倉俣 史朗

Umbrella Stand F.1.86

ステッキを立てかけたような支柱をもつ傘立ては、空間の中で独特の存在感を放ちます。リングの内側に傘をさしていくと、支柱が傘の中に姿を消し、リングが宙に浮いているようにも見えます。
1986年にデザイン、当時のイデーより発表したこの傘立てを、よりオリジナルに近い質感で復刻。MoMAパーマネントコレクションに認定されている名品です。

Designer
倉俣 史朗

戦後のレイトモダニズム全盛の時代にあって、感性によるデザインではじめて評価をされたデザイナー。
「How High the Moon」、「Miss Blanche」など、エキスパンドメタルやアクリルといった素材を驚くほど詩的な表情に仕立て上げた家具で一世を風靡した。今なお世界的な評価が非常に高く、ニューヨーク近代美術館などで、ミュージアム・ピースとして多くの作品が収蔵されている。東京都出身。

SCENESジャパニーズ・モダンマスターのある暮らし

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