イデーのバイヤーがモロッコの各地をめぐり、さまざまな魅力あふれるクラフトを買い付けてきました。アフリカの豊かな民族文化と神秘的なイスラムの美しい装飾、洗練されたフランスのエッセンスが融合した手仕事品は、他にあまり見られない独特の魅力を持っています。
ラグ、クッション、マルチカバーなどのテキスタイルからコーディネートのアクセントになる雑貨まで、暮らしに纏わるさまざまなアイテムをご紹介します。風合いの良いモロッコの手仕事品を暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。
※オンラインショップでは随時新商品の追加を予定しています。
モロッコの南西部「ローズピンクの街」と呼ばれるマラケシュの旧市街(メディナ)を中心に買い付けをしました。世界文化遺産にも登録されている旧市街にあるスークと呼ばれる市場には、モロッコの手仕事品が一堂に集まります。まるで迷路のような場内にはテキスタイルからガラス、真鍮、革、陶器まで数百のお店があります。
買い付けのミッションは、ベニ・ワレンを中心にインテリアのコーディネートに合うテキスタイルや、空間に彩りを添える雑貨を探すこと。
ベニ・ワレンは、ここ数年イデーのお客様からもとても人気の高いラグです。先住民族のベルベル族によって作られたテキスタイルのひとつで、もともとは嫁入り道具として母親が娘のために時間をかけてひとつひとつ丁寧に織ったもの。お祝い事の贈り物や、遊牧生活の中でテント内の寝具としても使われていました。
よく見られるダイヤ型のデザインには「家を守る」という意味が込められています。ベルベル族の中にもさまざまな部族があって、それぞれで柄や織り方、色なども異なり、アート性の高いテキスタイルのひとつです。
住宅環境の違いもあり、基本的に大きいサイズのものが多いため、ベニ・ワレンの膨大な山のなかから数日かけて日本の住空間でも使いやすいサイズや色柄を選びました。
短期間の買い付けでしたが、たくさんの新しいテキスタイルとの出会いがありました。モノトーンをベースに凝った織り柄を施したザナフィーと呼ばれるラグや、ヴィンテージのマルチカバー、アガベの一種の繊維から作られたサブラなど、どれもモロッコの手仕事の良さを感じながら、愛着を持ってお使いいただけるテキスタイルばかり。
テキスタイル以外にも、食卓をより愉しく彩るテーブルウエアや、アートのように壁に飾る真鍮の鏡や陶器のディスプレイプレートなど、モロッコの伝統工芸を代表する品々も買い付けました。
普段の暮らしのなかにモロッコの手仕事を気軽に取り入れるさまざまなアイデアをご紹介したいと思います。
海外のインテリアでよく見かける小さなラグを重ね敷きにしたコーディネートは、イデーでもおすすめしているコーディネートのひとつ。すでに持っているラグとも組み合わせられて、リビングルームを楽しい空間に演出することができます。
毛足が短く綺麗な柄が特徴のモロッコ製キリムのアフニフ、モロカンシルクと言われるアガベの一種の繊維から作られるサブラは、踏み心地も良く一年を通してご使用いただけます。
今回の買い付けで新しく見つけることができた色柄が美しいモロッカンテキスタイル。小ぶりなサイズのものが多く、敷物としてはもちろんタペストリーとして壁に飾ればアートのように愉しむこともできます。
モロッコのワッザン地方で作られている、洗練されたナチュラルな色柄のキリム絨毯。ベニ・ワレンよりも目が詰まっていて毛足が短く、オールシーズンお使いいただけます。
シンプルな柄が多いワッザンは、さまざまなスタイルのインテリアと相性が良く、お部屋のほど良いアクセントになります。リビングやダイニングで使用するのはもちろん、2枚組み合わせて敷いたり、タペストリーのように飾っても。
今回モロッコで買い付けた中で一番使いやすいタイプのラグのひとつ。毛足が短く色柄もシンプルなので、まずは一枚買ってテキスタイルを愉しみたいという方におすすめです。
マラケシュで昔ながらの手織り機で織られたハンドメイドのマルチカバーとクッション。マルチカバーはご家庭で使いやすいサイズを別注しました。ソファにかけたり、ベッドカバーにしたりさまざまに活用していただけます。
クッションカバーは、ポイントにモロッコの伝統的な装飾や色を施したもの。ソファやベッドに置くだけで、モロッカンスタイルを演出できます。
イデーで別注をかけたマルチカバーとクッションカバーは、私も自宅で使っている一推しアイテム。使えば使うほどいい風合いに馴染んでゆき、手仕事の良さを感じていただけます。
水草で作ったプレースマットやコースターは、カラフルなタッセルがついたモロッコらしいテーブルアイテム。いろいろな色を組み合わせると、ぐっと食卓が華やかになります。
現地でミントティーを注文すると必ず出される、気泡が美しいリサイクルグラスや真鍮のソーサーなど、モロッコの食卓では定番のアイテムも買い付けました。
※モロッコ陶器は観賞用です。食器としての使用はできません。写真で使用している陶器はアンダープレートとして使用しています。
今回はテキスタイルだけでなく、モロッコの日常生活で使われているテーブルまわりのアイテムもセレクトしました。普段使いにはもちろん、ゲストを招いたパーティーなどの演出にもおすすめです。
モロッコの伝統工芸のひとつである陶器と真鍮。モロッコの家庭やショップによく飾られている飾り皿は、今でも一つ一つ手仕事で細かい絵付けが施されています。アートとして壁に飾ったり、アクセサリーや鍵などの小物入れにもおすすめです。
真鍮の鏡は携帯用の手鏡として、またマラケシュのセンス良いお店のように壁に複数飾って愉しんでも。
※モロッコ陶器は観賞用です。食器としての使用はできません。
モロッコを代表する伝統工芸のひとつである陶器の飾り皿や真鍮品は、現地の日常生活でもよく見かけます。昔から続く手仕事の良さを、使うたびに実感していただけるアイテムです。ぜひ暮らしに取り入れてみてください。
モロッコのタザ地方でとれる椰子の葉で作ったカゴバッグ。軽くてつるりとした感触が特徴です。 今回はパーツを経年変化の愉しめるヌメ革にしたイデー別注アイテムを制作しました。お出かけ用のバッグとしてはもちろん、室内で本や小物の収納かごとしても使えます。
今回の買い付けで腕の良いかごの生産者に出会いました。すでに形として完成していたバスケットを、イデー用にカスタマイズしました。他ではあまり見かけないデザインから定番の形まで豊富にご用意しました。これからの季節に活躍するアイテムです。
重厚で凝った織りがモダンな雰囲気のザナフィ。
ザナフィとは織りのテクニックの名前。アトラス地方で作られたザナフィはボリュームのあるフリンジと落ち着いた色合いが特徴のラグです。
ザナフィは比較的小さなサイズが多いので、1人掛けのソファやラウンジチェアと合わせて自分だけの特等席に。玄関マットや寝室のベッド脇に敷くのもおすすめです。
一つ一つ異なる凝った柄とフリンジの可愛らしさに今回一目惚れしたテキスタイルで、ベニ・ワレンに続く注目のラグです。コンパクトなサイズのものが多く、タペストリーとして飾っても。
モロッコのシディムクタール地方で作られているキリム絨毯。起毛タイプの絨毯に模様を織り込んだシックなキリムです。キリムの柄にはそれぞれ意味があり、女性たちの幸せへの思いがこめられ、ひとつひとつ手作りされています。
ダイニングテーブルの下に敷けば、リビング・ダイニングの間仕切りとしての役割も果たしてくれます。
シンプルで洗練された色柄のウールラグで、今回初めて買い付けました。
ベニ・ワレンよりも目が詰まっていて毛足も短く、使い勝手の良さが魅力です。
デザイン・インテリア雑誌にたびたび登場するベニ・ワレンは、モロッコを代表する手仕事品。上質な羊毛を使い、ベルベル族の女性達が手織りで一つ一つ丁寧に織っています。モロッコの先住民であるベルベル族が、もともと生活の道具として織っていました。
原毛のナチュラルカラーをベースに、黒や茶のシンプルな柄が入ったラグは、コーディネートしやすくどんなスタイルにもしっくりと馴染みます。ふかふかと素足にも気持ち良いベニ・ワレンを、家族が集まるリビングのソファの前に置くのがおすすめです。
フィンランドのアルヴァ・アアルトをはじめ世界中のデザイナーを魅了したベニ・ワレン。ベルベル族の女性達はこのラグを2週間かけて丁寧に織り上げます。織る家族によって柄が異なる一点もの。インテリアの好みに合わせて好きなものを選ぶ楽しさ、そして使う程に愛着を感じていただけるでしょう。
1990年代までは市場に出ることがなかったという、モロッコのアジラル地方で作られたヴィンテージのラグ。独特の原始的な柄と、ピンクや赤、緑といった大胆な色使いが特徴で、アート性のあるラグとして近年注目を集めています。
リビングはもちろん、窓辺やこども部屋などに敷いたり、タペストリーとして壁に飾るのもおすすめです。
色使いや一つ一つ異なる柄に魅了されるデザイナーやクリエイターも多く、買い付け中に行ったマラケシュにあるイヴ・サンローラン美術館でも展示されていました。上質な羊毛で織られているので、踏み心地も良いラグです。