Life in Art アートのある暮らし

個性とエナジーの画家 山口一郎

山口一郎さんの作品には、人柄や才能、エネルギーが自然と溢れています。
動物を描いた独創的なスケッチ画や色鮮やかで大胆な抽象画など、多岐にわたる作品はどれも「直感的」に心を揺さぶるものばかり。
それは一目惚れのような感覚かもしれません。

「誰も描いたことのないものを描きたいと思っています。
が、それがどこまで出来ているかは分かりません。」

とても謙虚でユニークなお人柄の山口さんに、さまざまなお話を伺いました。

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DEE'S HALLとの出会い

山口さんはセツ・モードセミナーの学生時代にイラストレーターとしてデビューし、仕事をスタートさせました。 それから数年間、イラストレーターとして活躍。
当時メインで抱えていた仕事に区切りがついた時、「イラストではない大きな絵が描きたくなった」という山口さん。イラストレーターとしての仕事を卒業して、実家の静岡に戻りました。

静岡で郵便局の配達の仕事をはじめた山口さんは、仕事をしながら毎晩好きなように絵を描き、自身のブログに作品を掲載しました。
それを見た知人から南青山のアートスペース&ギャラリー「DEE'S HALL」を紹介され、オーナーの土器さんから「うちで絵の展示をしましょう!」と声を掛けられたのです。

そこから山口さんの画家としての生活が始まりました。
DEE'S HALLでの個展の開催は今や15年も続いていて、山口さんにとって「最も大切なギャラリー」だといいます。

その時、その時、
誰かを喜ばせるために描いている

画家としての山口さんの作品には、言葉では説明のできない温かさや心地よさ、心を揺さぶる力が感じられます。

作品を描くうえで大切にしていることについて尋ねると、
山口さんは友人から「君は誰かのために何かをするときに一番力を発揮する。」と言われたことがある、と答えてくれました。

「怠け者なので確かにその通りです。僕はその時その時、誰かを喜ばせるために絵を描いていると思います。」

シンプルで力強い言葉に、作品の原点が見えるような気がします。

一枚の絵で
部屋の空気、色が変わる

イデーは「空間を彩るアート作品を、もっと身近に、もっと気軽に。日々の暮らしをゆたかにする」をコンセプトに「Life in Art」を提案しています。アート作品には空間を大きく変えるような強いパワーがあります。
山口さんが考える「アートのある暮らし」とはどのようなものでしょう。

「僕の絵は『初めて原画の絵を買いました』という方が多いです。原画は高い買い物だと思いますが、絵を買って飾ってみないと、きっと良さはわからないです。絵ひとつで部屋の雰囲気、空気、色がガラリと変わると思います。
僕の絵で初めて絵を買った方が僕以外の方の絵も買ったり、絵を飾る楽しさを知ってもらえるキッカケになったら嬉しいです。
僕も作家という仕事しているからか、ほかの作家さんの作品を買うようにしています。やはり作家は、自分の作品を買ってもらって次にステップアップしていくので。」

一番好きな画家はマチス

山口さんが尊敬するアーティストや作品は、ニューヨークに住んでいた時の話から垣間見られます。

「ニューヨークに3ヶ月ほど住んでいた時、MOMA(ニューヨーク近代美術館)に、毎日通っていました 。
その中でもアンリ・マティス(Henri Matisse)の絵だけを飾ってある部屋が大好きで、その部屋の中にずっといるとほんの数分だけお客さんが誰もいなくなって、僕だけがその部屋の中にいることがあるんです。その時の、この部屋のマチスの絵を今自分が独占しているんだ!という感覚がたまりませんでした。」

生涯答えの出ない、
夏休みの宿題

一緒に仕事をする仲間が近隣県に多いことや、作画の環境として自身のペースでのんびりと絵を描けることから、現在は香川県坂出市で活動されている山口さん。

最後に山口さんにとって画家とは?と尋ねると
「生涯答えの出ない、夏休みの宿題」
と、山口さんらしいとてもチャーミングな答えが返ってきました。

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山口一郎さんが、これまでの人生とこれからについて語るインタビューを動画でご覧いただけます。

画家 山口一郎インタビュー(9:06)movie by Shinsuke Inoue、music by Wasaburou Watanabe

山口 一郎

山口 一郎やまぐち いちろう

画家。香川県在住。セツ・モードセミナー卒業後、イラストレーターとして雑誌広告の仕事に携わる。 現在は青山のDEE'S HALLなどで定期的に個展を開催し、海外のギャラリーでも展示会を行う。