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#1デザインの特徴と制作背景
オランダのデルフトやフランスのムスティエなど、近代ヨーロッパのシンプルながら趣のある白釉の器にインスピレーションを受け、クラフト的な揺らぎと適度な厚みを特徴として現代の生活に合うようにデザインをしました。
クラシカルなセラミックの器は芸術の観点でひとつの到達点であり、古い割れた器を金継ぎしたものなども人気で、普遍性と芸術性を併せ持っています。
素地には、扱いやすく強度と質感のバランスに優れた半磁器(砂岩)を使用しています。
釉薬は白釉をベースにホワイトグレイで少し色味のニュアンスをもたせ、あえて色むらをつけて個体差を生じさせることで、クラフト感のある器に仕上げました。縁の部分は釉薬を薄くし、素地が透けて見えるのが良いアクセントになっています。
#2波佐見町のものづくり
actuel: sable(アクテュエル サーブル)の生産地には、長崎県の波佐見町を選びました。波佐見町は江戸時代から現代まで受け継がれている日本有数の陶磁器の産地です。
砕石場があるのは、綺麗な水があり近場の有田や波佐見に素地を供給できる嬉野。
石を人の手で大まかに砕くところから始まり、一級品の白い素材から日常の器に使う素材まで等級に分け、さらに細かく精製し、水を加えて練ることで粘土状の素地を作ります。
均一的なプロダクトとならないように、職人の技術を活かし仮型の段階で微調整を加えながら、人の手で作った揺らぎを加えることで温もりや味わいを持たせて生産型を作っています。
微妙にグレイッシュな面持ちや釉薬のムラ感を出すことで、一点一点少しずつ表情が異なり、単調な白い食器とならないようこだわりました。高度に温度管理された窯で焼き上げています。
※一部商品は2025年1月発売予定