Shigeki Fujishiro

SHIGEKI FUJISHIRO SIERRA SOFA, RIB Series, FRAMES

日本のみならず、ヨーロッパでの評価も高いプロダクトデザイナー、藤城成貴。
1998年〜2005年までイデーに在籍して定番商品や特注家具のデザインに携わったのち、shigeki fujishiro designとして個人活動を行っています。Saito Wood(Japan)、IDÉE(Japan)、RS Barcelona(Spain)、Hermes petit h(France)、HAY(Denmark)、2016/arita(Japan)、dosa(U.S.A)などさまざまなブランドから作品を発表しています。

Interview with Shigeki Fujishiro藤城成貴インタビュー

SIERRA SOFAシエラソファ

SIERRA SOFA

「SIERRA(=山脈)」というネーミングは、正面から見ると直線的で横から見るとカーブに見えるアーム部分が、見る角度によって違う顔を見せる山脈を思わせることからつけられました。
立体としての造形のユニークさと、日本の職人の高い技術が結晶した、他にはないイデーの代表作です。

人気のカラーをセレクトした定番のカラーのほか、お好みの張り地を選べる受注生産タイプもご注文いただけます。
シエラソファの張り地にはソファの形をきれいにみせることができる平織やフェルトタイプの生地がおすすめです。
※シエラソファは繊細な張りの技術を要するため、本革・ビニールレザーの張り込みは承っておりません。

  • 張り出したアームがないため、コンパクトながらも座面を広く使うことができます。

  • すっきりした脚回りと背から側面にかけての一体感が、シャープな印象をつくります。

  • クッション性のある座面を採用し、見た目よりもソフトな座り心地です。

RIB Seriesリブ シリーズ

RIB Series

丸、正方形、二等辺三角形という、3種類の天板が特徴のサイドテーブルシリーズです。
ソファやベッドなどの大型家具と調和することを意識し、このシンプルな形状が生まれました。
天板にはリノリウムという天然の原材料から作られた素材を用いており、経年変化した質感もお楽しみいただけます。
丸は空間の真ん中に置いて、正方形は壁際に沿って、直角二等辺三角形は部屋の四隅に寄せて、と使いかたはいろいろ。丸パイプを何本も組み合わせた棚には読みかけの本を置いたり、小物や植物をディスプレイしても。
※RIB Circleはイデーショップ各店頭にてご購入いただけます。

Interview with Shigeki FujishiroText by Hisashi Ikai

ディテールにこだわり、何度も試作を繰り返すなかで、より美しく、的確なデザインの可能性を追い求める藤城成貴。そんな彼のあくなき探究心から、暮らしに自然に溶け込む家具、〈リブ〉シリーズは生まれた。

椅子やソファ、テーブル、ベッドなど、インテリアを決定づけるような家具を一通り揃えてみたものの、どことなく味気なさや、物足りなさを感じたことはないだろうか。

「インテリアの主役となるような家具とは別に、飲みかけのコーヒーや、読んでいた本をちょこんと置いたり、部屋を彩るグリーンやオブジェを飾ったりするために使えるような、暮らしを別のアングルからサポートする〈小さな家具〉が作れないかと思ったんです」

デザイナーの藤城成貴が求めたのは、どんな家具とも組み合わせられる調和性を持ちながら、インテリアのアクセントにもなるデザインだった。そこで彼が注目したのが、「丸」「三角」「四角」という3つの幾何学形状だ。

「誰しもが馴染みのあるシンプルな形状を一筆書きしたようなラインで表現していくことで、メインとなる家具の傍らや部屋の隅にちょこんと置いても邪魔にならないような、軽やかな印象のものに仕上げています」

無駄な視覚効果が生まれないように、脚は垂直にまっすぐ立ち上がった形を維持。強度や安定性を鑑み、素材には鉄製パイプを使用しながらも、棚板と脚のパイプ径をすべて同サイズに揃えたことで、必要以上にアピールせず、控えめな存在に収めた。

藤城は表面のマットな仕上げにもこだわる。

「光沢のある素材にすると光の反射が目立ってしまうし、アウトラインがぼやけて形も美しく見えない。あくまでも後からインテリアの仲間入りをするものなので、主張しすぎないギリギリのラインで表現を留めています」

表面塗装をリノリウム仕上げにしたことで、天板に置いたものがすべりにくく、傷にも強いというメリットを生み出した。

さらに藤城はサイズにもこだわりを見せる。

「一番意識したのは、テーブルの高さです。食事のために使うダイニングテーブルと仕事や勉強のために使うデスクとでは微妙に高さの設定が異なるように、使用目的とテーブルの高さは密接に関係しているもの。置き場所や使い方に応じて、一番馴染みやすいものを選べるように考えています」

最も低い、高さ500mmの四角い〈リブ・スクエア〉は、ベッドサイドテーブルにぴったりのサイズ。高さ600mmの丸い〈リブ・サークル〉は、ソファやラウンジチェアの横に置いてコーヒーテーブルに。そして、高さ700mmで三角形の〈リブ・トライアングル〉は、部屋のコーナーにおいて飾り棚として使うことを想定している。

天板サイズは全体とのバランスも大切だが、何よりも実際に使うことができるかをしっかり検証したと藤城は語る。

「僕はいつも自分の行動と感覚で、もっとも適切なボリュームや質感を探求します。そのため、リブのデザインプロセスでも、実寸のをダンボールで自作。その上にカップや雑誌などを置いて実験を重ね、より使い勝手の良いものを目指しています」

細かなディテールを何度も修正しながらデザインを重ねていったことで、既存のインテリアの隙間にすっぽりと収まり、多様に使いこなすことができるアイテムが完成した。

FRAMESフレイムス

RIB Series

キネティック・アート(動く彫刻)という新しい美術概念の一環として生まれたモビール。
FRAMESは透明の糸で立体に組まれたフレームを連結した、まるで物体が浮いているかのように見えるモビールです。
4o角のヒノキと釣り糸で構成されているため非常に軽く、ふとした空気の流れで揺らめき、さまざまな表情を見せます。照明をあてることによってに壁に映し出される影もまた、空間演出としてお愉しみいただけます。
デザインは2種類。Aタイプは大小異なる直方体がグラフィカルに動いて見え方の変化が大きいのが特徴。大きな正方形の面を持つ直方体を連結したBタイプは、全体が一体となって回転し、ダイナミックな動きが楽しめます。

藤城 成貴
Designer's Profile
藤城 成貴Shigeki Fujishiro

1998年、株式会社イデーに入社。定番商品及び特注家具のデザインに携わる。
2005年にshigeki fujishiro designとして独立。
Saito Wood(Japan)、IDÉE(Japan)、RS Barcelona(Spain)、Hermes petit h(France)、HAY(Denmark)、2016/arita(Japan)、dosa(U.S.A)などさまざまなブランドと契約。家具だけでなく、adidasのスニーカーやHermes petit hのアートワーク等を手掛けている。

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