IDÉE GALLERY Online

Akiko Mori

フィンランド・ヘルシンキで活動を行う、セラミックアーティストの森昭子さんの作品をご紹介します。

子どもの頃から建築に興味があったという森さん。ストライプやグリッド、建築からインスピレーションを得た陶のオブジェ、Grid Series(グリッドシリーズ)を手掛けています。まるで空気や影をも素材として取り込んでいるかのような、独特の佇まいを持つ彫刻です。

森昭子
Akiko Mori

1976年神奈川県生まれ。多摩美術大学卒業後、シンガポール・スイスと拠点を移し、2015年よりヘルシンキを拠点に活動するセラミックアーティスト。建築への興味からインスピレーションを得たグリッドシリーズを手掛けている。近年ではArtek(ヘルシンキ)やLOKAL Gallery(ヘルシンキ)で個展を開催。2023年には日本で初となる個展をIDÉE TOKYOで開催。

Buyer's eye

森さんの作品と出会ったきっかけや気に入っているポイントなど、イデー ディレクターの大島に話を聞きました。
作品を飾っている彼の自宅の様子とともにご紹介します。

森昭子さんの作品との出会いは、偶然見かけた1枚の写真でした。グリッドというシンプルな構成ながら、どこか手の痕跡を感じる表情に一目惚れしてしまいました。作品を探していく中で、日本ではなく北欧で活動しているということ、日本人であることがわかり、SNSを通じて連絡。ちょうど北欧に買い付けに行く予定もあったので、空き時間にアトリエに伺いました。作風から勝手にクールな人をイメージしていたのですが、実際会うと朗らかで優しい方で、作品の制作工程や作品に込めた思いなど丁寧に話してくれました。

森さんはデザインや建築が大好きで、そこからインスピレーションを受けGRIDシリーズが生まれたと話しています。形は工業製品的ではありますが、実はひとつひとつ手仕事で作ったパーツを組み合わせながら作品を作り上げています。また陶製なので、微妙なフォルムの揺らぎや貫入が入った表面のテクスチャーが特徴的です。
プロダクト的なフォルムに対して全てハンドクラフトで作り上げる、その絶妙なバランス感覚が森さんの作品の最大の魅力だと感じています。

私は東京の自宅と週末過ごす家と、それぞれお気に入りの場所に森さんの作品を飾っています。ウォールアートとして飾ったり、キャビネットの上にいくつか並べたり。日中の自然光で眺めるのも綺麗ですが、夜に照明で生まれる陰影も本当に美しい!
気分によって気軽にいろいろな楽しみ方ができるのも、森さんの作品の好きなところです。

今年初めに森さんの自宅とアトリエで作家活動や暮らしについてインタビューした「LIFECYCLING」の記事も、作品ページとあわせてぜひ読んでみてください。

大島忠智 イデー ディレクター @oshima_tadatomo

宮崎県出身。大学卒業後、1998年にイデー入社。飲食事業部門のマネージャー、広報、バイヤー・商品企画・開発を経て、現在はブランドのディレクションを担当。インタビューウェブマガジン「LIFECYCLING」と音楽レーベル「IDÉE Records」の企画・運営にも携わる。公私共に親交の深い染色家、柚木沙弥郎さんとの「草の根運動」を綴った書籍「柚木沙弥郎 Tomorrow」も出版。

photo:Chikako Harada

Artist Interview

2023年にイデーのお店で日本初となる森昭子さんの個展を企画したイデーのディレクター大島が、森さんのフィンランドの自宅とアトリエに伺い、アーティストの活動やフィンランドでの暮らしなどをインタビューしました。

インタビューを読む
LIFECYCLING

「こと」や「もの」に愛情とこだわりを持って暮らす方々の魅力あふれる住処(スミカ)をご紹介する、イデーのインテビューWebマガジン。

※瀬戸内海の豊島にあるMUJI BASE TESHIMAでは、滞在を愉しみながら森さんのアート作品をご覧いただけます。