Artist Interview

Kui Co.

ジュエリーに興味を持ったきっかけを教えてください。

まだ若い頃にピアスの穴が塞がってしまい、可愛いピアスを身につけられないコンプレックスにも似たもどかしさを感じていたので、かつては積極的にジュエリーを身につけることをしなかったのですが、「本当はこんなピアスを付けてみたいなぁ」という切実な願望を注ぎ込んで生み出したSignature Earringsをネットやイベントで販売したところ、大変なご反響をいただき即完売が続き、その時に「ジュエリーとは?」と、その制作について本格的に興味を持つきっかけになりました。
当時そのような展開は全く予想しておらず、未だにですが、日々新しいチャレンジを楽しんでいます(ちなみに未だにピアスの穴は開いていませんので、Kui Co.のピアスも使えずに悲しい思いは当時のままです)。

※Signature Earrings: MIYUKIビーズと天然石を掛け合わせ、織物のように組んでいく独自の技法で作るピアス。色とパターンは無限にあり、シーズンごとに新作をデザイナー自らが一つ一つ手作業で作り上げます。
このピアスといえばと認識してくださる方も多い、ブランド当初からのコレクション。

ブランドとして活動を始めたきっかけやストーリーを教えてください。

Signature Earringsのイベント販売やネット販売を経て、NY在住の知人とともに日本だけでなく北米マーケットでもブランドを展開しようと話が決まり、当時勤めていた会社を辞めて、ジュエリーデザイナーとして独立起業しました。
以前休暇で訪れたペルーのクスコで目にした伝統工芸と、自然に敬意を払いながら文化を継承する職人の精神に感銘を受けた体験から、時代や国境、文化を超えて愛されるジュエリー(デザイン)を自分でも体現したいという想いを込めて改めてブランディングをし、日米同時ローンチに向けた活動を開始しました。そして2015年2月にローンチ、日本国内の百貨店での催事やNYでの展示会出展から始まり、翌年には米国大手ライフスタイルブランドANTHROPOLOGYでの販売の機会をいただき全米でSignature Earringsを販売しました。
日本のものづくりを反映したクオリティと独自性に評価をいただき、いまだに米国の個人客や小売店からオーダーをいただいています。その後2年間の渡仏期間中はパリにて展示会に出展し販路を欧州にも広げ、再び拠点を日本に戻し、現在はSignature Earringsだけでなくカラーストーンジュエリーにもラインナップを広げて展開しています。

作品のデザイン・制作をする上で、大切にしていることや心がけていることはありますか

インド・ジャイプールには5000年のジュエリー産業の歴史があるといわれ、現在も世界最大級のマーケットです。Kui Co.のカラーストーンジュエリーはそこでのコネクションを最大限活用し、日本のマーケットでは仕入れられないような大きな粒の石や希少性の高い石を常に探しながら、制作においてはコストパフォーマンスや品質の検証を日々行っています。当初はインドの商習慣に慣れないこともありましたが、一つ一つ課題を乗り越え職人と信頼関係を築き、またコロナの世界的流行を経たことで現地に行かなくともコミュニケーションや作業がスムーズに進められるようになりました。マーケットの規模が大きい分、人や素材、情報や技術のリソースがたくさんあるので、それをどう取り込むかは自分次第と思い、たくさんのポテンシャルがある環境で制作できることはとても幸運だと思っています。
そうして出会った素材(石)に対して素材自身の美しさをどう活かすか、ブランドアイデンティと結びつけて「ここ(Kui Co.)でしか出会えない、自分を高めてくれる唯一無二の存在」へとどう昇華させるか、自問自答を繰り返すだけでなくインドの職人の経験値や美的価値観に耳を傾けることで解が見えてきたりもします。
タイムレスに、国境や文化を超えて愛されるデザインとは何かを追求する、という想いが自身やブランドの原点なので、できあがったものをインドの職人とともに喜べる瞬間は格別です。

アイデアの原点や、創造性のために何かしていることはありますか。

2016年からのパリでの生活において、世界の第一線で活躍する日本人デザイナーのランウェイのバックステージ業務に従事し、一流デザイナーの創造力とその影響力を目の前でみた経験より、以来毎シーズンのランウェイはデザイナーにフォーカスして見ることで、創造力の価値や新しく生み出される美しさと普遍的な美しさについての感受性を高めるようにしています。とても早いサイクルでの創作活動にもいつも刺激をもらいます。
また、ブランドを立ち上げたばかりの頃にいただいたアドバイスとして、ジュエリーは身につけてこそ完成するもの、という言葉を常に心に留めており、自分で形にしたジュエリーが果たしてお客様を笑顔にできているかどうか、可能な限り店頭でお客様の反応を伺いコミュニケーションをとり、責任を持ってお届けするように心がけております。
斬新なアイデアだけが創造性ではなく、お客様が試着される姿を拝見しながら、よりお客様が笑顔になるアイデアは店頭に沢山のヒントがあり、常に自分のアウトプットをブラッシュアップする場であると考えています。

これからも大切にしていきたいことや未来への思いを教えてください。

お客様から、いいことがあり自分へのお祝いとして買いました!と教えてくださったり、悩み事を抱えている時に心の拠り所のようにKui Co.のジュエリーを身につけて、気がついたら悩み事が解決していました!とか、全くジュエリーを買うつもりなんてなかったけど、ふと目に入ったこの石が忘れられなくて、、、など、これまで沢山のエピソードを聞かせていただいてきました。その度に胸が熱くなる思いで、デザイナーでいられることに感謝しています。
これからもここでしか出会えないジュエリーを作り、手にしてくださるお客様の人生の中で何かのエピソードになるような、そんなジュエリーをお届けできるよう日々精進していきたいと思っています。

Buyer's Comment

イデーでご紹介する機会の多いブランドで、毎回美しい天然石のジュエリーに魅了されています。さまざまなデザインを揃えた多彩なラインナップをいつも楽しみにしています。今回のフェアでは、シックな冬の装いに輝きを灯すような、華やかさを演出してくれるジュエリーをご紹介します。

Kui Co.

"URBAN RESORT"をコンセプトに、都会的なデザインでありながらも非日常に触れた時に感じる高揚感、心地よい開放感をお届けいたします。大切な人と訪れた思い出の景色、いつか行きたい憧れの旅先、異国情緒あふれるマーケット、アドベンチャラスな大自然、熱帯雨林の野鳥のようなビビッドな色彩、自然の軌跡が宿る地層のような模様、雨上がりの虹のようなグラデーション。 Kui Co. から生まれる色彩やデザインを通して、身につける人の本能を非日常に誘い出し、五感が刺激され踊り出す。イマジネーションの旅先は自由に、あなたにとって特別などこかを想い描いてジュエリーをお楽しみください。