Artist Interview

SUSA bijou

ジュエリーに興味を持ったきっかけを教えてください。

大学で美術を学んでいた頃から、イサムノグチ、ブランクーシ、アルマアレンの彫刻や縄文土器、アフリカの彫像、本阿弥光悦の楽茶碗などの造形に魅力を感じ、それらをインスピレーションにした<なにか>をつくってみたいと思っていました。

2021年の春、自宅の机の上でワックスを捻り、削り<なにか>をつくりだしてみると、現れたのは、遺跡から発掘された小さな彫刻のようなリングでした。その体験で味わった驚きや喜びがジュエリーづくりを始めるきっかけとなりました。

ブランドとして活動を始めたきっかけやストーリーを教えてください。

大学卒業後、絵画・演劇・映像・デザイン・パフォーマンスなどの活動を続けつつ、中学校美術科・小学校図画工作科教諭として子どもたちとARTを媒介にして関わってきました。子どもたちと共に形・色・環境と対話し、自らの内のイメージや価値をつくり・つくりかえながら表現する体験から得た力は、今取り組んでいるジュエリーづくりの原動力になっています。

退職後、子どもたちと共にではなく「私にとって世界の神秘を味わい新たなイメージや価値をつくりだす活動とは」と模索し、見つけたのがARTとしてのジュエリーづくりでした。2021年、H.P.FRANCE Online Showroom出展を契機にSUSA bijouを立ち上げ、その後、デパートやセレクトショップでのPOPUPやH.P.FRANCE destination Tokyoでの常設展示販売などの機会を提供していただき、2022年にブランドとしての本格的な活動が始まりました。

作品のデザイン・制作をする上で、大切にしていることや心がけていることはありますか

作品の表層的・装飾的な美しさではなく、作品の造形から滲み出る存在感を大切にして制作を続けています。アイテムのフォルムやテクスチャーに、躍動する生命感と静謐な気品、SUSAぶ大胆さと繊細さ、プリミティブとモードなどの二項を横断することで生まれる、新しいイメージ・価値・SUSAぶ=遊ぶ自由なスピリットを織り込むようにして一点一点手づくりしています。

このようにARTとしての作品づくりをしていますが、作品の造形性や存在感にウエイトが傾きすぎることのないよう、身に付けつる方の指や耳のフォルムや質感にフィットし、永くお使いいただける確かなつくりを追求することや、身につける方の感性と響き合うジュエリーとなるよう心がけています。

アトリエにある、本・オブジェ・写真などさまざまなアイデアソース

アイデアの原点や、創造性のために何かしていることはありますか。

人・もの・出来事との出会いで体験した、ゴツゴツした感覚や軋轢を感じる、自分が壊れそうになる、神秘を味わう、歓喜に身が震える…といった生の手触りや自分の存在の底から湧き上がってくる力がアイデアと創造の原点です。

幼い頃、空き地でのダムづくりで味わった大地・土・空気・光などとの交信と一体感。原爆資料館で出会った被爆した人々の姿。バリ島で聴いたジェゴグの響き。縄文土器のうねる形。勅使河原三郎のダンス。我を忘れて表現する子どもたちの姿…など、これまでの数多くの体験や今日も取り組んでいるジュエリーづくりの体験が、生の手触りや存在の底から湧き上がる力を実感する喜び、新たな発見や創造の喜びを与えてくれています。

⟨abstract⟩シリーズのリング

いつも身につけたくなる、想い入れのあるアクセサリーがあれば教えてください。

⟨abstract⟩シリーズのリングをいつも身に付けています。抽象的なフォルムのもつモード感と蠢くフォルムとテクスチャーの放つプリミティブな生命感が同居するリングは、聖と俗、現実と夢、男と女、静と動、現在と過去、などの二項を横断して生まれる新たなイメージや価値を作品の造形に織り込み「SUSAぶ=遊ぶ自由な心と創造性を呼び起こす」というSUSA bijouのコンセプトを象徴するアイテムの一つです。

指の上の空間で重なる四角形と円形を異なる世界の重なりや交じわりと捉え、そこから浮かび上がるイメージと遊んでみる…。そんな楽しみを味わわせてくれるリングでもあります。

これからも大切にしていきたいことや未来への想いを教えてください。

SUSA bijouの発信するARTとしてのジュエリーとの出会いと関わりを通して、一人でも多くのお客様に「言葉にならないけど心が震える」「自由に生きよう!と背中を押された」「生きる喜びが伝わった」…と自由と創造の喜びを感じていただくことを大切にしています。

ブランドとしての表現を追求しながら、安全・安心・同調・管理といった艶のない世の中の動向に流されない人々の歓喜で彩られる未来に、想いを馳せています。

Buyer's Comment

第一印象は、一つ一つにパワーを感じる、力強さがある魅力的なジュエリーでした。さまざまな形と天然石が施されたジュエリーは、堂々とした一点物の存在感があります。ジェンダーレス、エイジレスで身に着けられる特別なジュエリーは、SUSA bijouならでは。
この夏はカメオが付いたお守りのようなジュエリーに挑戦したいと思います。

SUSA bijou

「SUSAぶ(遊ぶ・荒ぶ)自由な心と柔らかい創造性を呼び起こす」をコンセプトに有機的で生命感のある、遺跡から発掘された小さな彫刻のようなジュエリーをつくりだすSUSA bijou。大胆に荒ぶるフォルム・テクスチャーの内に揺らぐ暖かな感覚。古代の人々の護符・呪物・創造物の放つ生命感とともに艶のあるモード感が同居する、ジュエリー = 身につけて完成するART作品をお届けします。