STORY
イタリアで青といえば、「azzuro(アズーロ)」、「Blu(ブルー)」と表現される色があります。
「azzuro」は日本でいう「空色」。「azzuri(=azzuroの複数形)」は、サッカーのイタリア代表の愛称にもなっています。彼らのユニホームのように、日本の空色よりやや濃い色味を指しています。一方「Blu」は、「azzuro」よりも深味がある青を表します。「azzuro」がイタリアの空の色ならば、「Blu」はイタリアの近海、アドリア海の色です。
「Rimini(リミニ)」は、イタリアのエミリア=ロマーニャ州、アドリア海沿岸の都市。夏は海水浴スポットとして賑わいます。街からは美しいブルーの海を一望できます。
アドリア海を想わせるリミニブルーの深い青は、日本の陶器にはない独特の発色。見る角度によってさまざまな表情を見せます。
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リミニ ブルーは1950年代初頭、アルド・ロンディの創案によって誕生しました。今もなお生産され続けているこのシリーズは、マテリアルや製造方法など何度も改良されています。
1950年代、ビトッシ社の陶器には主に赤土が使用されていました。同社のあるトスカーナ地方で採れる土のほとんどが赤土だったためです。
耐火煉瓦を手で細かく砕いて赤土に混ぜることで生まれるゴツゴツした表面は、表現手法のひとつでもありました。また、赤土でも後に塗るクリスタルブルーがきれいに発色するよう、白いマテリアルを下塗りする工夫が施されていました。
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現在のビトッシ製品の8割以上は、赤土ではなく、白粘土を使用しています。
当初、他の地域の土は入手困難でしたが、今ではドイツやフランスから輸入できるようになりました。表面の表情を作るためのマテリアルも、1950〜60年代と比べて、さらに細かいものに改良されています。